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脱ハンコ?電子印鑑を導入するメリット・デメリットとは?法的な効力などを解説

2022.06.14

コラム

紙媒体での契約がまだまだ多くある建設業界ですが、近年は電子契約の波が押し寄せ、国土交通省も電子契約を推進しています。

一般財団法人日本情報経済社会推進協会が、2020年に実施した電子契約の利用状況調査によると建設・不動産業界の75%が電子契約を実施中もしくは検討中の結果となり、今後さらに増えていくと予想されます。

引用:一般財団法人日本情報経済社会推進協会「電子契約の利用状況(2020年調査/業種別・従業員規模別)」より

 

2001年に建設業法の改正で建設請負契約の電子契約化が認められました。業務効率の向上やコスト削減の観点から、建設業界で電子契約が普及し始めています

この記事では、電子契約導入のきっかけとなり得る、電子印鑑について解説しています。電子印鑑の概要やメリット・デメリットを理解して業務改善やコスト削減の参考にしてください。

電子印鑑とは

電子印鑑とは、印影画像をデータ化し、電子化した文書に押印する印鑑のことです。WordやExcel、PDFファイルなどのパソコンで作成したファイルに画面上で捺印できます

これまで印刷した文書に押印していた作業をデータ上でできるため、印刷の手間が省けるなど業務の効率化が図れます。

新型コロナウイルスが流行し、緊急事態宣言や働き方改革などの取り組みで、多くの企業がテレワーク化を推進しました。電子印鑑の利用で、押印のために出社する必要がなくなり、リモート環境で事務手続きが完了できます。

電子印鑑の種類

電子印鑑は、大きく分けると次の2つのタイプがあります。

印影を画像データ化した電子印鑑

押印した印影画像をデータ化して、透過処理を施した電子印鑑です。コストもかからず手軽に作成できます。ただし、偽造されやすいため、重要書類などへの使用は避けましょう。

使用者の情報が埋め込まれた電子印鑑

印鑑の使用者や押印日時などの識別情報が、埋め込まれた電子印鑑です。識別情報には、印刷の偽造防止効果があり、信頼性も高くなります。

コストはかかりますが、効力や証明性が高く、普通の印鑑と同様の法的効力を付与することが可能です。

電子印鑑を使用する用途

電子印鑑は、従来の印鑑と捺印方法が変わるだけで、使用用途や機能はほぼ同じです。

  • 請求書、契約書、領収書などの社外文書に押印する
    ⇒WordやExcel、PDFファイルといったパソコンで作成した請求書などの社外文書データに電子印鑑を押印します。
  • 社内文書に押印する
    ⇒報告書や議事録、稟議書などの社内文書データに電子印鑑を押印します。回覧はメールなどで行われるため、データ上で事務手続きが完了します。

場所や時間にとらわれず、やり取りができるので、テレワークなど現代の働き方にマッチしています。電子印鑑を使用する用途は、今後ますます増えていくでしょう

電子印鑑を導入するメリット

電子印鑑を導入することで得られるメリットについて紹介します。

業務効率の向上

今までの紙媒体と印鑑を使用した業務では、下記の作業手順が必要です。

  • 作成した文書を印刷
  • 印鑑と朱肉を用意
  • 訂正する場合には再印刷が必要

電子印鑑の導入で上記の手間が省けます。社内で承諾が必要な決済も、電子印鑑であれば、出社せず承諾や文書作成ができるので、より効率的に作業を進めることができます。

下請けや元請け業者との契約書類や工事関係書類、安全衛生書類だけでなく、建築確認などの行政手続きを含め、建設業では多くの書類を取りまとめる必要があります。年度末など多忙な時期は、書類整理だけで大変な労力です。

データ上で書類を管理できる電子印鑑が浸透することで、業務に費やす労力が削減され、建設業界が直面する長時間労働の改善に期待が持たれています。

コスト削減・ペーパーレス化の促進

ペーパーレス化の促進で注目される電子印鑑は、請求書や領収書の印刷が不要なので、用紙代やインク代などのランニングコストを抑えられます。書類に不備があったときでも、出力する必要がないので、再印刷に必要な時間や手間が減ります。

電子印鑑の押印により、データ上で承認や契約が完結します。郵送する手間もなく人件費や郵送料の削減が可能です。

紙媒体で保存する場合は、キャビネットなどの保存スペースが必要です。しかし、電子化により文書をデータで保存できるので管理コストの削減が見込めます。

印鑑の紛失・破損リスクが軽減

 印鑑は使用中に破損したり、置き忘れたりして紛失する可能性があります。破損や紛失した場合、探す手間や新調するにも費用がかかります。電子印鑑の場合は、データで管理できるため、破損や紛失の危険性が大幅に軽減されます。

電子印鑑を導入するデメリット

電子印鑑の導入に伴うデメリットや問題点について紹介します。

導入にコストがかかる

認印レベルの電子印鑑であれば、印影をデータ化するだけで簡単に作成できます。しかし、印鑑の効力や信頼性を高め、捺印の証明ができるセキュリティー対策が施された印鑑の導入には、コストがかかります。

セキュリティ面で不安

電子印鑑は、画像データなので簡単に複製を作ることができます。セキュリティー面を整えていないとネットを経由するため簡単に情報が漏洩してしまいます。情報管理を徹底しなければ社員の情報がネット上に発信される可能性があります。

取引先への説明が必要

電子印鑑が普及しているとはいえ、まだまだ取り組みの準備をしていない企業がほとんどです。法的効力のある電子印鑑を使用する場合、事前に取引先に説明をして受け入れ態勢を整えてもらう必要があります。

電子印鑑の法的効力

 文書に押印する理由は、文書内容を確認した証明をするためです。海外では、サインで済みますが、日本ではサインよりも印鑑の方が重要視されます。本人の自署と印鑑捺印の組み合わせは、さらに高い信頼性があります。

電子印鑑の場合、認印レベルの効力しかありません。しかし、使用者の識別情報を組み込んだ電子印鑑であれば、実印と同等の効力を付与することができます。

法的効力のある電子印鑑の作成は、有料の電子印鑑作成サービスを利用します。シリアル番号や個人認証、印影データなど本人の識別情報が付与され、押印時間などの履歴が残るため信頼性が高くなります。

電子印鑑の作成方法

 簡易なものなら無料で自作できる電子印鑑ですが、取引先に対して使用する電子印鑑であれば、信頼性とセキュリティーの観点から有料サービスを利用して作成すると良いでしょう。

印影を読み込んで自作

白紙に普段使用している印鑑を押印し、その印影を写真撮影またはスキャンします。取り込んだ画像を、画像編集ソフトで透過処理することで電子印鑑が作成できます。

回覧などの社内文書を確認するレベルであれば、この作成方法で問題ありません

無料ツールを使用して作成

電子印鑑を無料で作成できる3つの方法について紹介します。

ネット上で入手できるフリーソフトを使って作成する

フリーソフトにより異なりますが、日付印・代理印・三文判・丸印・角印など複数の印鑑が選択でき、下記のような手順で簡単に作成できます。

  1. 作成したい印鑑の形式を選びます
  2. 苗字などを入力し、フォントを選ぶ
  3. 印影画像が作成できる

フリーサービスのためデザインの選択幅が少なく、デザイン性を求めたい場合は、有料サービスを利用しましょう。

ネットで入手可能なフリーソフトのダウンロード先を紹介します。

WordやExcelを使って作成する

図形ツールで丸や角丸を描き、苗字などを入力すれば印影画像が完成します。印影画像をコピーして、文書に貼り付けると電子印鑑として使用できます

有料サービスを利用して作成

社外文書用に電子印鑑を導入する場合には、使用者の識別情報が組み込まれた電子印鑑を作成する必要があります。

有料サービスでは、次のような性能を付与した電子印鑑を作成できます。

  • 個人情報を識別するシリアルナンバーを組み込む
  • 同じ苗字の人がいても判別できる
  • 押印した人や時間などの履歴を残せる

本人や非改ざんを証明できる信頼性の高い電子印鑑を作成できるので、ビジネスシーンでの利用におすすめです。

まとめ

1998年7月施行の「電子帳簿法」や2005年4月施行の「e-文書法」などの法整備により電子化が推し進められてきました。昨今、電子化が注目される背景には、新型コロナウイルスの拡大や働き方改革によるテレワークの普及が大きく影響しています。

行政手続きの電子化や法人税の電子申告などが義務化されるのに伴い、今後建設業界においても契約や書類が電子化され、業務において電子印鑑のニーズはますます増えていくでしょう。

多様な働きかたの実現に必要とされる電子印鑑を導入して、業務改善へチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

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