知らないでは済まされない!リフォーム会社が知っておくべき法律とは?|住宅リフォーム経営コンシェルジュ

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近年、リフォームに関するトラブルで訴訟沙汰になるケースが増えてきました。

さらには、各企業に対して厳しくコンプライアンス・法令遵守が求められる時代でもあります。

しかし実際の住宅リフォーム現場では、複雑で多岐にわたる法令に対するリフォーム事業者の理解不足や、そもそも法令への適合が必要かどうかの判断が難しいケースがあるのも事実です。

そうはいうものの、お客様とトラブルになった際、「そんな法律は知らなかった」では済まされません。

そのような時代背景のなかで、リフォーム会社が知っておくべき法律についてまとめてみました。

目次

1. リフォーム会社に関わる関係法令とは
2. リフォーム会社が必要な許可とは
3. 法令を守って安心・安全なリフォームを

01 リフォーム会社に関わる関係法令とは

法令を遵守して住宅をリフォームすることは、万一の災害等から国民の安全を守り、また資産価値向上にもつながる重要なことです。

住宅には様々な法律や条例、規則等で基準が定められていて、これらの関連法令は新築住宅に限らず、住宅リフォームでも適用されるものが数多く存在しています。

リフォーム業者が遵守すべき法令の代表的なものには、以下の様なものがあります。

建築関連法令

・建築基準法・・建築物の敷地・形態・構造・設備等に関する最低基準を定めた法律  

・建設業法・・建設業者に関する事項を定めた法律  

・消防法・・火災予防等に向けた事項を定めた法律  

・建築士法・・建築士に関する事項を定めた法律

・都市計画法・・都市計画に関する必要な事項を定めた法律

・耐震改修促進法・・建築物の耐震改修促進のための処置等を定めた法律

その他では、建築物の敷地、構造等に関する基準を建築基準法に付加する地方公共団体の条例等があります。

法令遵守とは、国が定めた法律を守るのみならず、条例も含めて遵守する必要があります。

住宅に関するその他の法令

・住生活基本法・・住宅政策の基本となる法律  

・住宅品確法・・良質な住宅市場の形成に向けた制度を定めた法律  

・省エネ法・・燃料資源の有効利用を促進するための事項を定めた法律

・建設リサイクル法・・建設廃棄物の再資源化・再利用に向けた事項を定めた法律

・区分所有法・・区分所有建物の所有関係、共同管理等について定めた法律

その他では、マンション管理の適正化の推進に関する法律などがあります。

その他の関係法令

・民法・・私法の一般法について定めた法律  

・消費者契約法・・消費者と事業者との間の契約に関する民法・商法の特別法 

・特定商取引法・・特定商取引を公正にし、購入者等が受けることのある損害の防止を図る法律

リフォームの目的のひとつに「住宅性能の向上」がありますが、関係法令を遵守していなければ、逆に住宅の評価を下げ、資産価値を損なうことにもなりかねません。

また、民法や消費者契約法などの法令を遵守しなければ、社会的な信用の失墜を招くと共に、悪徳リフォーム業者のレッテルを貼られてしまう事態にもなるので注意が必要です。

02 リフォーム会社が必要な許可とは

リフォーム工事を行うには、一般的には建設業の許可が必要です。

しかし、建設業の許可を持っていないのにリフォーム業を行っている会社が、世の中には数多く存在しています。

その理由は、「軽微な建設工事」のみを請け負って営業する場合には、必ずしも建設業の許可を受けなくても良いとされているからです。

では、法律で定める軽微な工事とはどういった工事でしょうか?

軽微な建設工事とは?

次の①と②が、軽微な建設工事に該当します。

①建築一式工事については、工事1件の請負代金の額が税込1,500万円未満の工事または延べ床面積が150㎡未満の木造住宅工事  

・木造:建築基準法第2条第5号に定める主要構造部が木造であるもの

・住宅:住宅、共同住宅及び店舗等との併用住宅で、延べ床面積の2分の1以上を居住の用に供するもの

②建築一式工事以外の建設工事については、工事1件の請負代金の額が税込500万円未満の工事

これらに該当しない規模や金額を超えるリフォームの請負契約を結ぶ場合には、建設業の許可を受けなければなりません。

それでは、建設業許可の種類にはどんなものがあるのでしょうか。

建設業許可の種類とは?

建設業を営む者は、下記の2種類の一式工事と27種類の専門工事ごとに許可を受ける必要があります。

土木一式工事、建築一式工事、大工工事業、左官工事業、とび・土工工事業、石工事業、屋根工事業、電気工事業、管工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、鋼構造物工事業、鉄筋工事業、舗装工事業、しゅんせつ工事業、板金工事業、ガラス工事業、塗装工事業、防水工事業、内装仕上工事業、機械器具設置工事業、熱絶縁工事業、電気通信工事業、造園工事業、さく井工事業、建具工事業、水道施設工事業、消防施設工事業、清掃施設工事業、解体工事業

これらの許可は5年間有効で5年毎に更新が必要となります。

ある業種の許可を受けた場合でも、他の業種の工事を請け負うことは、その業種の許可も合わせて受けていない限り禁じられています。

例えば・・

屋根葺き替えのリフォーム工事を、屋根工事業の建設業許可を受けた業者が500万円で請負契約を締結することは、当然可能です。

しかし、その建物の500万円を超える大工工事の請負契約は、大工工事業の建設業許可を受けていなければ同時に結ぶことはできません。

では、こういった場合はどうでしょうか。

屋根の葺き替え工事には屋根工事を行う為の仮設の足場工事が必要となります。足場工事にはとび・土工工事業の許可が必要となりますが、屋根工事の許可しか受けていない業者は足場工事の契約を結ぶことは違法でしょうか?

答えは・・

違法ではなく足場工事も行う事ができます。

建設業法第4条では、許可を受けた業種の工事に附帯する附帯工事であれば、許可がなくても受注・施工ができるとしています。

この場合は屋根の葺き替え工事が主たる工事で、足場工事は付帯工事にあたります。

建設業者が許可を受けた業種の受注しかできないのであれば、注文者は工事の種類ごとに業者を選んで発注しなければならず、発注者・受注者いずれにとっても不便です。

そこで建設業法第4条で建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事を請け負う場合においては、当該建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事を請け負うことができるとしています。

以上の例のように、附帯工事であれば許可を受けていないリフォーム業者でも受注できますが、附帯工事に該当しなければ請負契約を結ぶことはできませんので、注意が必要です。

03 法令を守って安心・安全なリフォームを

今後リフォーム市場の拡大が予想されることから、リフォーム会社は年々増えています。

内装だけを行う会社もあれば、増改築などの一軒まるごとリフォームを請け負う会社もあります。

またバス・トイレ・キッチン・洗面台といった水廻り設備のリフォームを主として行う会社もあります。

このように、リフォーム会社の扱う工事が多様になっただけではなく、近年では家電量販店・ホームセンター・家具・インテリア販売店などの異業種からのリフォーム業界への新規参入も増えています。

必ずしも建設業の許可を必要としないリフォーム事業者にあっては、法令知識が乏しい業者も少なくありません。

そういった住宅リフォーム市場の拡大にともない、工事の質の向上を図ることがリフォーム会社にはますます求められてきます。

その質の向上でもっとも重要なことの一つが、「法令を遵守してリフォームを行う」ことです。

法令違反になるケースには、次の様な要因があります。

・リフォーム会社の法令に関する知識不足により、法令を見落としてしまう。

・法令を遵守すると手間やコストがかかるため、法令を無視して工事を行う。

・法令違反になると知りながら、自社の利益を優先して法令違反を行う。

・施主の要望を優先したため、法令違反になってしまう。

消費者も企業の法令遵守に対して厳しい目を持つようになった昨今、守るべき法令をきちんと遵守し、工事を行っていくことが非常に重要となっています。

一方では、法令を知らない施主から違法な工事を強いられるケースもあります。

プロであるリフォーム会社には、法令に適合しない工事は請け負わないという強い意志が必要です。

何かがあってから取り返しのつかないことにならないよう、常日頃から、法令順守について高い意識を持っておくことが重要と言えます。

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