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施工計画書とは?目的や記載内容、作成手順とポイントについて徹底解説

2022.07.12

コラム

建設工事を進めていく上で、施工計画書は必須の書類です。

しかし、施工計画書の作成目的や作成方法、記載内容など、わからないという方も多いのではないでしょうか?

施工計画書は施工品質を左右する重要な書類のため、経営者や作成する担当者は正しい知識をインプットする必要があるでしょう。

本記事では施工計画書の目的や記載内容、作成方法や手順についてわかりやすく解説しています。

施工計画書について理解を深めて、スムーズで効率よく作成するための参考にしてください。

施工計画書とは?

施工計画書とはどのような書類なのか、その概要と目的、作成時期について解説します。

施工計画書の概要

施工計画書とは施工手順や工程などの工事計画や進捗管理、安全管理の方法などをまとめた書類になります。

設備工事や電気工事、土木工事など、すべての建設工事において施工計画書は必須の書類です。

一般的に施工計画書は施工業者の担当責任者が作成します。

実際に工事を担う業者が作成することで、改善点や修正点が把握しやすくなります。

施工計画書の目的

施工計画書は具体的な工法や手順に加え、品質管理や安全管理の方法を明確にし、統一された考えのもと工事完成を目指していく目的があります。

元請業者は現場に携わるすべての業者を取りまとめ、施主が求める品質で工事を完成させなくてはなりません。

そのため、各業者が「どのような工法や手順で工事を進めるのか」「品質管理や安全管理の方法をどうするのか」など、施工管理を判断する基準として施工手順書が必要になります。

施工計画書の作成時期

施工計画書の作成には3週間から1ヶ月必要です。

少なくとも工事開始の3週間前には準備して提出するように心がけましょう。

なぜなら、施工計画書の内容は多岐に渡るため、作成に時間が掛かるからです。

また提出しても承認が得られないケースもあるため、工事が決まり次第、早めに取り掛かりましょう。

施工計画書の内容

施工計画書に記載する内容は現場や業種により異なりますが、代表的な記載内容を以下に紹介します。

  • 施工(工事)概要
    ⇒工事名や工事内容、工事場所、工期など工事全体について記載
  • 工程表
    ⇒工事を進めていく工程表を記載
  • 現場の組織図
    ⇒工事に取り掛かる組織構成(命令系統や業務分担)を記載
  • 主要資材や機械
    ⇒工事に使用する資材や材料、機械などの品名や数量、規格を記載
  • 施工の方法や工法
    ⇒どのように施工するのかなど、詳しい手順を記載
  • 施工の管理方法
    ⇒施工や品質の管理方法を記載
  • 安全衛生管理
    ⇒安全活動の責任者や計画、管理方法、点検整備などを記載
  • 緊急連絡体制
    ⇒事故や災害時の連絡体制を記載
  • 交通管理方法
    ⇒現場周辺の交通対策や警備員の配置などを記載
  • 環境対策
    ⇒騒音や振動など、周辺環境への影響や対策方法を記載
  • 廃棄物の処理方法
    ⇒工事で発生する廃棄物の処理方法やリサイクルについて記載
  • 総合評価
    ⇒誓約事項や施工計画、技術提案などを記載

上記以外にも、記載内容は状況に応じて随時調整してください。

基本的に施工計画書には、契約書や設計図書に記載された事項をすべて記す必要があります。

記載内容に不備があると承認されず、作り替える必要があるため注意しましょう。

また、施工計画書の記載内容が変更になった場合は、作り直して再度提出し承認を得る必要があります。

施工計画書の書式に決まりはありませんが、各自治体や整備局のWebサイトにひな形が公開されているので、参照してください。

参考URL:一般社団法人 日本建設業連合会「施工計画書ひな形集(改訂版) 日建連関西支部 IT専門部会」

施工計画書の作成手順

施工計画書を作成する流れは次の通りです。

  1. 工事の全体像を把握する
  2. 現場状況を確認する
  3. 発注者と協議する
  4. 施工計画書のひな形を入手
  5. 施工計画書を作成する

上記の流れを理解して、施工計画書を円滑に作成するための参考にしてください。

1.工事の全体像を把握する

施工計画書を作成するためには、工事の全体像を把握しておく必要があります。

設計図や設計仕様書、契約書など工事に関わる資料を確認して、工事の全体像を把握し、施工計画書の記載内容に落とし込んでいきます。

工事内容や請負代金、工期など施工計画書の記載項目は必ずチェックしておきましょう。

2.現場状況を確認する

資料で工事の全体像を把握できたら、直接現場へ足を運び周辺状況を確認しましょう。

施工計画書は現場状況によって記載内容を調整する必要があるため、現場周辺の状況確認は必須です。

現場周辺をチェックする際には、実際に施工している状況を思い描きながら各工程について精査しておくと、より現実味のある施工計画書を作成できます。

例えば、「資材搬入経路や交通状況に問題はないか」、「電線や高圧線の有無」、「周辺住民への影響やリスク」などを想定しながらチェックしましょう。

3.発注者と協議する

施工計画書を作成する前には、発注者と施工方法や工事内容について協議する場を設けましょう。

施工計画書の作成に必要な手順ではありませんが、下請け業者だけの考えで計画書を作成すると、発注者との認識にズレが生じてしまう可能性があります。

したがって、施工計画書を作成する前には工事に関する情報や施工方法、周辺環境への影響といった内容を、発注者としっかり協議することが大切です。

懸念点や問題点がある場合には、早めに発注者に伝えて改善していきましょう。

4.施工計画書のひな形を入手

前述のように、施工計画書は工事内容や業種によって書式や記載内容が異なります。

そのため、施工計画書の作成にはひな形の活用がおすすめです。

ひな形を利用すれば、一から計画書を作成する時間と手間が省けるだけでなく、記載漏れや間違いを回避できます。

ひな形は自治体や整備局のWebサイト上で公開されていますので、ダウンロードして活用してください。

また、元請業者がひな形を用意している場合も多いので確認してみましょう。

ただし、ひな形をそのまま流用できるとは限らないため、状況に合わせて記載項目の調整や追加する必要があります。

5.施工計画書を作成する

いよいよ施工計画書の作成段階です。

記載項目を埋めていくと同時に、添付書類の準備も忘れずにしておきましょう。

繰り返しになりますが施工計画書を提出しても、施主や元請から必ず承認されるわけではありません

承認が得られなければ工事に取り掛かれないため、計画書を訂正する必要があります。

計画書の加筆修正には時間がかかりますので、あらかじめスケジュールを確認し、工事に間に合うよう余裕を持って計画書作成に臨みましょう。

施工計画書を作成する4つのポイント

施工計画書の作成ポイントは次の4つです。

  • 理解しやすい内容で作成する
  • 過剰な内容の記載はNG
  • 施工計画書と同等のクオリティで工事する
  • 専用ツールやシステムを活用して業務を効率化する

項目ごとに解説します。

理解しやすい内容で作成する

施工計画書は現場監督や作業者などあらゆる立場の人が目を通す書類です。

そのため、誰が読んでも工事内容や必要事項を理解できるような施工計画書を作成しなければいけません。

担当者が体調不良やケガで不在の場合、別の人が施工計画書をもとに管理や施工を実施します。

その場合、施工計画書がわかりにくい内容では、工事進行に支障がでます。

しかし、誰でもすぐに理解できる内容であれば、担当者が急に変更しても問題なく工事を進めることが可能です。

施工計画書を作成する際には、次の5W1Hを意識して誰にでも理解できる計画書の作成に努めましょう。

  • Who(誰が)
  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • What(何を)
  • Why(なぜ)
  • How(どのように)

過剰な内容の記載はNG

施工計画書をよく見せようとするあまり、ハードルの高い計画を課してしまうと現場作業員の負担が大きくなってしまいます

例えば、「機械の点検を毎日1〜2時間実施する」、「養生は2重〜3重にする」などです。

絶対に必要な作業なら問題ありませんが、しなくてもいい内容を記載すると工事進捗に影響を及ぼし、作業効率を低下させてしまう恐れがあります。

実際の施工状況を想定して、バランスのよい施工計画書を作成しましょう。

工期を遵守するためにも、工程や作業効率に影響を及ぼさない範囲で安全管理や品質管理を心がけ、実現性のある施工計画書を作成してください。

施工計画書と同等のクオリティで工事する

施工計画書を提出して承認を得られたら、計画書をもとに工事を進めていきます。

ただし、施工計画書に記載した内容より品質の低い施工をすれば、やり直しや工事中止となる可能性もある点に注意しましょう。

実際に施工する際には職長や職人たちと施工計画書を共有し、計画書通りのクオリティを意識した施工を心がけてください。

また、施工計画書の記載内容と比べて工事品質が低いと評価が悪くなります。

前述のように施工計画書の作成品質の高さだけでなく、実現性のある計画を立てることが重要です。

専用ツールやシステムを活用して業務を効率化する

施工計画書を効率的に立案する方法にはひな形の活用に加え、専用ツールやシステムを活用した作成方法があります。

エクセルやワードに代表される表計算ソフトや文書作成ソフトを使用して、施工計画書を作成しデータを保存しておけば、加筆修正する際にスムーズな対応ができます。

表計算ソフトはWeb上に公開されているひな形(テンプレート)と組み合わせて使用できる利点があり、特におすすめです。

一般社団法人の日本建設連合会ではエクセルに対応したテンプレートを数多く公開しています。

工事計画内容と照らし合わせて、ぜひ活用してみましょう。

また、施工計画書の作成に特化した専用ツールには、簡単に項目を変更できたり、工事成績評定の項目一覧が備わっていたりなど、便利な機能が搭載されています。

ただし、専用ツールは有料の場合が多いため、導入コストが必要です。

また、製品ごとに機能が異なるため、自社に合った機能を精査して導入を検討しましょう。

まとめ

本記事では、施工計画書の目的や記載内容、作成する手順や作成ポイントを解説しました。

施工計画書は、工事の品質と安全を管理するための重要な書類です。

作成する際には工事の内容に沿った適切な計画を作成し、品質を確保する内容に仕上げる必要があります。

また、実際に工事を進める際には、施工計画書に沿って工事を進めなくてはいけません。

そのため、管理者だけが計画書を共有するのではなく、実際に作業をする職人への共有が不可欠です。

作成手順とポイントを理解して、より質の高い施工計画書を作成しましょう。

 

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