今話題のHEMSって何?リフォーム会社が知っておくべきHEMSの意味と活用法|住宅リフォーム経営コンシェルジュ

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201703

目次

1. 「HEMS」とは何か
2. HEMSに興味を持っているのはこんな方
3. 各地域で利用できるHEMSの補助金
4. お客様のHEMSご利用事例
5. まとめ

01 「HEMS」とは何か

近年、「IoT」や「ZEH」と並んで住宅産業界のトレンドとなった「HEMS」というキーワードがあります。
みなさまも既にご存知のことと思いますが、近頃お客様の関心も高まってきた「HEMS」について、改めてまとめたいと思います。

HEMS(ヘムス)とは?

HEMSとは、「Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)」の略称です。簡単に日本語訳するならば、「お家のエネルギー(電気・ガスなど)を管理する仕組み」という意味になります。
お家の電気設備と家電などを繋いで、お客様に見える形でエネルギーを管理しよう、ということのようですが、これがお客様のメリットにどう繋がるのでしょうか?

利点1 エネルギーの「見える化」

メリットの1つ目は、エネルギーの「見える化」です。
電力が使われる箇所をコンセント単位で把握することができ、それぞれの電力使用量を待機電力レベルで確認することが可能です。また、併せてガスや水道の使用量を確認できるものもありますので、家で使う全てのエネルギーを数値として見えるようにしてくれます。

一目で様々なムダが分かるようになり、ご家族の「節電・節約意識」が高まることは間違いありません。また、毎日のエネルギー利用をグラフで見ることが出来たり、電気使用量の月間目標を定めることなどが出来るものもあります。お子様向けに目標達成状況をアニメで表示するものもあるので、ご家族全員で取り組みやすいですね。

利点2 エネルギーの「一元管理」

メリットの2つ目は、エネルギーを「一元管理」できる点です。
HEMSによって繋がった家電を、ネットワークを通じて管理することで、遠隔制御や自動制御が可能になります。
例えば、以下のようなことができるようになります。

  • 外出先からスマホを使ってエアコンを起動し、帰宅する頃には涼しいお部屋をつくる
  • 電気代が高い時間帯には、エアコンの設定温度を自動で下げて節電する
  • 電気代が安い夜中に洗濯機や食器洗い機を動かす

ご家族全体で節電・節約意識を高めながら、システムによって自動的に節電を行えるのがHEMSを導入するにあたっての大きなメリットと言えそうです。
では、実際にお客様にご提案するにあたって、どのような仕組みなのでしょうか?

「HEMS」の基本的な仕組み

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出典:一般財団法人 家電製品協会 2015年度版スマートライフおすすめBOOK
※「エコキュート」は関西電力(株)の登録商標です。
※「エネファーム」は東京ガス(株)、大阪ガス(株)、JX日鉱日石エネルギー(株)の登録商標です。

上記図のように、電気量を測る装置(HEMS)を配電盤等に設置し、インターネットで情報共有をします。これにより、電力使用量などのデータをパソコンやスマートフォンで確認できるようにするというのが基本的な仕組みです。
また、「家電の遠隔操作を行う」「家全体だけでなく家電ごとの詳細な電力使用量を確認する」等、より充実した環境を作りたい場合には、「ECHONET Lite」という規格に対応した機器、家電が必要なケースもあります。

具体的な仕組みについて確認することができました。
では、どのようなメーカーがHEMS機器を販売しているのでしょうか?主要メーカーのHEMSを紹介いたします。

各メーカーのHEMS

1.パナソニック(http://www2.panasonic.biz/es/densetsu/aiseg/index.html
パナホームやパナソニック製品と連動した「スマートHEMS」を得意としています。HEMSへの参入にいち早く力を入れてきました。HEMSに利用する分電盤の全世帯シェア半数を占めることもあり、現状ではHEMSシェアNo.1といわれています。

2.シャープ(http://www.sharp.co.jp/e_solution/hems/index.html
タップをコンセントに差し込むだけで簡単にシステム導入が可能な「クラウドHEMS」が特徴です。

3.NEC(http://jpn.nec.com/energy/house/hems.html
コンピュータやITサービスを主事業とするNECもHEMS事業に参入しています。NECの専用サーバーを利用しているのが特徴で、上記2社よりも比較的安価に導入することができます。

今回は主要メーカー3種を紹介しました。開始当初は家電メーカーが軒を連ねていましたが、最近ではNECやNTTなど、インターネットサービスを展開する業者の参入も増えているようです。お客様に提案するにあたり、ニーズに合わせた選択肢がたくさんあるというのは助かりますね。

さて、ここまでで「HEMSとは何か」が少しずつ分かってきました。ところで、何故いま、リフォームのお客様にHEMSなのでしょうか?お客様はHEMSのどういった部分にご興味をお持ちなのでしょうか?お客様にご提案するにあたり、ニーズを調べる必要がありそうです。

02 HEMSに興味を持っているのはこんな方

「節電意識」へのアプローチは効果が薄い

HEMSを導入することで、「節約・節電意識を高めることができる」とお伝えしました。ですが、お客様は節電の必要性を感じておられるのかといえば、必ずしもそうではないようです。

先の東日本大震災以後、日本全国で節電意識の高まりが注目されました。限られた資源である「電力」を大切に使おう、という社会的意義による節電ムードは日本全国に広がり、ご家庭ひとつひとつで日々のエアコン、テレビ、冷蔵庫などの電力消費を節約する動きがありました。
ところが、この節電意識は徐々に低下しており、今や震災以前とほぼ変わらない意識でいる世代も居るということが、節電に対する生活者の行動・意識に関する調査(みずほ情報総研,2016)により判明しています。詳細には以下の通りです。

 

  • 「節電は手間がかかって面倒だ」と回答した人は2011年の33%から46%に上昇
  • 「電力不足は深刻な状況だ」と考えている人は、震災直後の2011年6月には91%いたが、今回の調査では65%まで減少した。
  • 「個々人の節電は電力不足の解消に効果がある」と思っている人のうち、「非常にそう思う」と応えている人の割合は、2011年6月には42%であったが、今回は22%まで減少した。

 

 

以上から、環境問題や電力資源問題に関心のある方を除いて、「省エネ」や「電力不足」からのアプローチではお客様への関心は得にくいということが分かります。
では、お客様はどのような点からHEMSにご興味をお持ちなのでしょうか。

30代~40代のお客様が「節約」と「近未来的な技術発達」に注目している

家庭向けエネルギー管理サービス普及のための事業戦略創出に関する研究(福代、松浦,2009)では、HEMSにご興味をお持ちのお客様を分析しています。

【HEMSにご関心のあるお客様層】

○30代~40代の女性
  • 省エネ=月々の電気代など、生活に密着した具体的なイメージを持っている
  • 技術の発達にメリットを感じ、利用に積極的
  • 機能をライフスタイルに合わせて選択できる形態を理想としている
  • 初期費用:5万円まで、月々費用:2万円までを上限と考えている

【HEMSにご関心の薄いお客様層】

○50代~60代の男性
  • 省エネ=地球環境問題のような、社会的または抽象的なイメージを持っている
  • 技術の支援を受けすぎると老化が進むという恐れから、利用に消極的

以上から、30代~40代女性のお客様が最もHEMSにご関心をお持ちであるということが分かりました。小さなお子様がいらっしゃったりして光熱費に対する意識が高い世代であり、かつ「自動化」や「遠隔操作」など最新技術への関心もあることが理由かもしれません。
「HEMS」という単語がようやく世に出回り始めた今だからこそ、こういったお客様にアプローチするのが有効なのではないでしょうか。

次は、お客様がよりHEMSを導入しやすくなる「補助金」のご紹介です。

03 各地域で利用できるHEMSの補助金

HEMSの導入では、各地方団体の補助金が利用できます。平成29年度募集はまだ始まっていないようなので、今のうちに内容をご覧いただくと良いかもしれません。

・京都府地球温暖化防止活動推進センター HEMS補助金
http://www.kcfca.or.jp/hems/

・公益財団法人 ひょうご環境創造協会 HEMS機器設置補助金
http://www.eco-hyogo.jp/global-warming/hems/

現状のところ、HEMSに関する国からの補助金制度は停止しているようですので、ぜひ各地方団体の情報をお探しいただければと思います。

04 お客様のHEMSご利用

HEMS利用形態は各社様々ですので、今回は代表的なパナソニックの「スマートHEMS」から一部抜粋してご案内します。より詳細な事例は下記ページからご覧いただけます。
(http://www2.panasonic.biz/es/densetsu/aiseg/jirei/)

「住宅分電盤の取替えとともにHEMSを導入」

○電気代の事を考えて浴室乾燥機はあまり使わないようにしていた
⇒HEMSを導入して、浴室乾燥機の電気代は思ったより安いことが分かった。
意外に電気代のかかる食器洗浄機の利用を夜間に切替えることで電気代節約に。

「太陽光発電システムの設置とともにHEMSを導入」

○電気代が年々高くなってきていたが、原因が分からなかった
⇒太陽光発電で電気代をまかないつつ、スマホアプリから電気使用料を外出先からでも確認。
家族の節電意識UPのほか、子どもの帰宅を知らせてくれる機能などが役立っている。

05 まとめ

今回は、HEMSの概要や利点など基本的な内容を振り返ってみました。
最新技術や電気代の節約などにご興味をお持ちのお客様にはとても魅力的なものだと思います。

HEMSは新築、リフォーム、その他どのタイミングでもご提案できるものですから、今後様々なリフォーム会社さまがご提案商材としてご利用になられることでしょう。

その際に重要なポイントは、担当者がいかに各社HEMS商材の差を理解しているかということです。
一言に「電気代を減らしたい」と言っても、お客様には様々な環境があります。
とくにHEMSのような新しいものの場合、お客様自身では「何ができるか」をまだご存知ないケースもあります。
その際に、「こういったこともできますがいかがでしょうか?」とご提案できるよう、主要メーカーのHEMS商材をぜひご覧いただければと思います。
ぜひ、御社にとって効率的な活用を見出していただければ幸いです。

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